2022年夏の交流会
2022/09/09 UPDATE
2022年夏の交流会

2022年8月6日・7日
有明セントラルタワー&カンファレンスセンター
 2022年8月6日(土)、7日(日)、有明セントラルタワー&カンファレンスセンター(東京都江東区)にて、「2022年夏の交流会」を開催しました。新型コロナウイルスの影響でここ2年ほど「近況報告会」「春の研修」などがオンライン開催となったこともあり、希薄になった対面での交流機会をあらためて持つために、特別企画として開催された3年ぶりの対面での交流会です。大勢の現役奨学生とOBOGがさまざまな企画で親睦を深めました。
OBOG企画 〜10年後の教員像〜
 夏の交流会に先立つ6日の15時より、OBOG会が企画した「10年後の教員像を考えるグループワーク」が行われました。最初に大隅雄士さんより挨拶があり、司会進行は桑野怜奈さんが担当。参加した現職教員のOBOG15人(1~3期生)が、4~6人ずつ3つのグループに分かれて話し合いを行いました。各々の自己紹介の後には近況報告を兼ね、教員として働く中で感じた困りごとや悩みなどを共有しました。
 緊張がほぐれてきたところで、グループワークがスタート。A4の専用シートに、奨学生時代に記入した教員像を振り返りながら、教育現場に出て感じた自分の得意や苦手などを書き出し、最後に「10年後の教員像・自分像」を記入。結果をグループ内で発表し、「昔の教員像を今みると恥ずかしい……」「学生のときに考えたことは意外に間違ってなかった」などの声が挙がっていました。1時間余りのグループワークは、教員仲間のつながりを感じ、OBOGが自分自身を見つめ直す機会にもなったようです。

2022年夏の交流会
 
OBOGグループワークの感想を紹介します。
 私は3月まで大隅くんの職場で働いていたのですが、ほかのOBOGとは3年ぶりくらいの対面ですね。ワークで感じたのは、教員として大事にしたいと思う部分は変わっていないなということ。でもプリントに書き出して皆で共有したことで、自分の軸を強く意識して教員をしていかないといけないなと再認識できました。(和田多香子さん・1期生)

 2期生と3期生のグループで参加しました。奨学生時代を振り返って、学生時代は理想ばかり求めて、現実のことをあまり考えられていなかった気がします。でも当時の、子どもに憧れられるような「こんな先生になりたい」という気持ちも忘れないようにしたいです。若い教員仲間同士で、悩みを共有できたのも良かったです。(中村香織さん・2期生)

 OBOGと対面で会えるのは本当にいいなと思います。久しぶりの対面集会でワクワクしています。ふだんは聞かない関西弁が飛び交っている感じも懐かしい。ワークの結果、自分が大切にしたいベースは変わりませんが、10年後の教員像としては、生徒だけでなく周りの教員もサポートできる存在になりたいと思いました。(土屋有美華さん・1期生)

2022年夏の交流会
 
ブロック別交流懇親会
 8月6日(土)17時に、「夏の交流会」が開会しました。新型コロナウイルスの影響で急遽不参加になった人もいましたが、それでも全国から奨学生50名、OBOG28名が集まり、財団側を含め100人を超える規模となりました。まず財団の中馬淳常務理事より挨拶があり、次いで司会より2日間の日程や趣旨の説明があり、参加者が夕食のお弁当を黙食する間、財団の他事業についての紹介がありました。
 18時過ぎからは会場を移動して、いよいよ「ブロック別交流会」へ。地域別の8ブロックの奨学生・OBOGが3~5人ずつテーブルに分かれ、自己紹介やゲーム等で交流を深めました。「お絵描き伝言ゲーム」などのユニークな企画と、青木小百合さん、大島稜平さん、福本菜央さんの3名による見事な司会進行で、次第に会場は笑いと活気に包まれるように。成績上位チームには景品が贈られ、最後に記念撮影を行って1日目は終了となりました。
 翌日7日(日)は、10時から3つの会場に分かれて「校種別(小学校/特別支援/中高国語)」の、13時からは「期別(1・2期/3期/4期)」の交流親睦会を実施。最終盤は会場をまたいで自由に交流してもらう時間をもうけ、17時頃に全日程が無事に終わりました。
 仕事や学業で多忙な中、幹事役を引き受け、事前準備から当日2日間にわたって尽力してくれた奨学生・OBOGの方々に、ここで改めて御礼を申し上げます。

2022年夏の交流会
 
出席したOBOGの感想を紹介します。
※インタビューは、6日ブロック別交流会後に実施
 今回、尾形さんの代役でOBOG会のグループワークの司会をしました。現在は神奈川県の公立高校の国語科教員として勤務し、今年2年目です。1期生はコロナ前から対面で会っていた世代で、絆が強いですね。今日久しぶりに対面で会って社会人になってからの話を聞けたので、今後もこの関係性は継続していきたいです。また財団の奨学生として有難いなと思うのは勉強できる機会があること。冒頭の財団の事業説明でお聞きした「EG(Educater Gathering)」にも興味があります。今後もそうした機会を提供してもらえると、交流会とはまた違う奨学生・OBOGの学びになると思います。(桑野怜奈さん・1期生)

 2020年採用の公立小学校教員です。この1年半はコロナで学級閉鎖・学校閉鎖もあり、活動もさまざまな制限がありましたが、その中でベストな教育活動をするにはどうすればいいか考えさせられました。私は3期生で対面の交流はしたことがなく、同期の仲間とも今日初めて会いました(笑)。でも同期だけでなく他のOBOGや奨学生とお会いして、こんなにたくさん教育のことを考えている仲間がいるんだと感じられ、嬉しかったです。これからネットワークを広げ、何年後かに総合的な学習の時間に他地域のOBOGとオンラインでつながり、地域の勉強ができたらいいなと想像しています。(中山優香さん・3期生)

 今年4月から、公立中学で社会科を教えています。教員になって4か月余りですが、生徒にも学校運営にも深く関わる責任感を感じています。私は学生時代から陸上部でしたが勤務校には陸上部がなく、今は女子ソフトボール部の顧問をしています。私自身に競技経験がなく、かつ女子生徒しかいないというところで難しさも感じつつ、日々勉強しているところです。今日は、こうした対面での交流の機会を設けてくださった財団と幹事の方々に感謝をしています。やはり会って対話することでしか話せないこともあるので、たくさんのOBOG・奨学生と話をすることができ、有意義な時間でした。(山下慎司さん・2期生)

 京都市の公立小学校に勤務し、3年目です。私は教員になるのが長年の夢だったので「教員になってよかったな」と感じています。3年のうち2年間は1年生を担任したので、ぐんぐん成長する姿を見るとやりがいがありますし、楽しいです。今日の交流会もとても楽しめました。フランクな雰囲気でしたが、合間に自治体の教採倍率や勤務地、給料の話なども出ていて、現役生が知りたいことを聞く機会になっていました。今後も、OBOGが現役生や採用1年目の人に現場のことを伝えて安心感をもってもらえたら嬉しいし、私たちも初任時の気持ちを思い出し、頑張れたらいいなと思います。(池田ひかりさん・2期生)

 今春から、広島市の公立小学校に勤務しています。教員になっての感想は「こんなにたくさん仕事があるんだ」というのが第一印象です。校務分掌や保険の書類を作ったりなど、特に年度初めは事務仕事が大量にあり、驚いています。今日は運営側として、ブロック別交流親睦会の司会を担当しました。2 期生の仲間とも久しぶりに対面で会って、お互い教員同士として仕事や初任研の話などをして、苦労しているのは自分だけじゃないなと安心しました。これから教員経験を重ねて仕事にも慣れてきたら、今まで自分が人にしてもらった分を、奨学生の下の世代にも還元していきたいですね。(大島稜平さん・2期生)

2022年夏の交流会
編 集 後 記
様々につながり、閃き、輝く
 最近「友だちの数で寿命はきまる」という本を読み、面白い文章を発見した。それは「長く活躍できる研究者は平均5回研究分野を変えており、5つのコミュニティから知見を得ている。」というものだ。そして「新しい発見、アイデアの閃きは、ふだんと異なるたくさんのつながりとの交流の中で『いただく』ものだと」とも書かれている。
 家族、職場などの深いつながりは、価値観が似通っているため新しい発見やアイデアは生まれづらい。一方で、緩いつながり、職場以外のサークルやコミュニティではリラックスした空気のもと多種多様な意見が飛び交うことから、ふだん得られないアイデアが閃くというわけだ。
 当財団の奨学生は、全国の多様な大学から選ばれた人材だ。すでに皆さん実感のとおり、頭の良さも、特技も趣味も、人柄の優しさも、多様性に満ちている。さらに毎年100人新しい人材が入ってくる。この中に沢山のコミュニティが誕生するはずだ。
 そして教員・社会人になってもなお、学び合いと支え合いのつながりを持ち続けることは、いわずもがな日頃では得られない様々な閃きと発見が未来に渡ってかなえられるという意味をもつ。ぜひ同期、先輩後輩のつながりを数多く持つよう心掛けてほしい。
このコンテンツは、奨学生のOBOG限定です(現役奨学生や関係者向けには別途編集したものを後日提供予定)。
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