OBOG夏の集い
2023/12/18 UPDATE
OBOG夏の集い
2023年8月26日・27日
TKPガーデンシティPREMIUM大阪駅前

そこに愛がある(^^♪同輩も後輩も、とくに教員1年生には安心して新学期を迎えられるようにしてあげたい。
そんな思いから、OBOG会幹事が手づくりで、
「若手教員の現業不安を解消するOBOG夏の集い」を開催しました。
 好評だった春の集いワークショップに続き、夏の集いワークショップはOBOGが教育の現場で抱える様々な問題や乗り越えの体験を共有し、一緒に「どう解決するか」を話し合い、更には近い将来にむけてどういう姿勢で取り組んで行くかについても共有しようという、幅広いテーマの「学び合いと支え合いの場」として企画されました。
 今回はとくに教員1年目にありがちな、ICTなどの知識不足や経験不足ゆえの2学期以降の不安を、先輩たちが知識を提供したり、一緒になって考えたりして解消することに重点を置きたいと幹事たちから強い希望があり、大いに感激。その通りの内容で2日間、OBOG・オリジナルの講座とワークショップが行われました。
 新学期迫る8月26日(土)27日(日)の二日間、TKPガーデンシティPREMIUM大阪駅前の会場に修了生、大学院生50名が集結(2名はオンライン参加)し、中身の濃い2日間を過ごしました。内容を以下に紹介します。
2日間のプログラム概要
 なんと盛沢山な内容。丸二日間にわたる4つのセッション。準備は5月から開始。1期生尾形さん坂浦さんの経験と3期生河邉さん4期生福永さんの優しさが山下リーダーを強く支える幹事体制で、深夜にわたるオンライン会議を重ねること3か月半。アイデアに富み気づかい繊細なワークショップが出来上がりました。
 26日は午後から開始。アイスブレイクにつづいて、地域によって学校によって進み方も設備も落差の大きいICT領域の実践的知識を、1期生の奥村さんが講義。続いてICTの悩みを共有して解決策を捻りだすワークショップ。そして17:20からはお互いもっと知り合いもっと打ち解けた関係を!懇親会開催。いやあ活気づいていました(^^♪
 27日は、自分が子どものころ描いた将来の夢、その後これまでの自分の夢史を振り返り共有。続いて子どものキャリア教育を考えるワークショップ。最後のセッションは参加者の教員1年目~4年目、社会人、大学院生各々のグループで書きだした悩みに、先輩がアドバイスを送るというもの。まさに「学び合い支え合い」。交流は縦横に一気に深まった様子でした
OBOG夏の集い
OBOG夏の集い
最初に、「夏の集い」は大変中身が濃く、沢山お伝えしたいことがあるため、冒頭に行われた財団の挨拶などは割愛いたします。
「ワークショップ」スタート。今回の企画運営リーダーは山下慎司さん。100kmマラソンを完走するタフネスは、粘り強く骨太な企画を仕上げた自信から、堂々とした開会宣言。
OBOG夏の集い
○企画運営メンバー
リーダー : 山下慎司さん (2期生 立命館大学教職大学院卒 高校教員)
補佐 : 坂浦颯さん (1期生 立命館大学教職大学院卒 中学校教員)
企画 : 福永桃子さん (4期生 宮崎大学卒 小学校教員)
企画 : 河邉琴音さん (3期生 熊本大学措置 小学校教員)
企画 : 尾形光祐さん (1期生 筑波大学大学院卒 中学高校教員)
講師 : 奥村輝星さん (1期生 佛教大学卒 中学校教員)
企画①
和んで笑って楽しんで、南国風味たっぷりに、心穏やかになりました。
福永桃子さん(4期生)の司会進行で、第1セッション「アイスブレイク」
OBOG夏の集い
 「自然と出る宮崎弁のなまりを楽しんでください」と、のっけから笑いをとって福永さんの司会スタート。
 第1セッションは「サイコロで出たお題で話す」 
1.最近嬉しかったこと 2.理想の教師像 3.最近の楽しみなど、皆さん楽しそうに笑顔で、賑やかにスタート。
OBOG夏の集い
 お題の設定も、話しやすくて身近なテーマ、楽しい気持ちが引っ張り出されるようなテーマに加え、理想の教師像という次のワークショップを意識したお題もあり、なかなか考え抜かれています。
 さらに驚いたのは、グループわけの配慮が行き届いていること。一つめは校種別(「人数少ないんですう😢沢山特支の子と話したいし聴いてもらいたいです」という気持ちでいっぱいだった特別支援教員の皆さんよかったですね)二つめは様々な校種とキャリア(院生、教員○年目、社会人○年目)バランスをとっています。こんなにきめ細かい配慮が、後半・翌日のワークショップでも貫かれていました。
OBOG夏の集い
続いて「時間チャレンジ」
 上図のパワポ画像のようなグループワーク。少ない秒数で沢山のことを書き出すので、ワイワイガヤガヤしながらも、どんどん手を動かして形にして行く各グループ。流石学校教員の手際よさ。大学院生も必死に取り組んでいました。
 お題は続いて「aAから始まる英単語をできるだけ書いてください」「サンズイの文字をできるだけ書いてください」最後は「教育関係の熟語をできるだけ多く書いてください」で終了。
 喋りは長閑でユーモラスな福永さん、しかし進行は滑らかついでにちょっと早回し。(本人曰く凄く緊張していたとのこと)結果これまでのワークショップ随一の早さ。なんと20分前倒しで終了しました。
アイスブレイクを楽しむ参加者
 結構短時間盛沢山な進行でしたが、とくに教員の皆さんは熟練度が凄いのか、終始にこやかに落ち着いて、まるで会話を味わうように楽しんでいました。
 ルール説明に熱弁をふるう福永さん。「なぜかとても和みました」
OBOG夏の集い
今回はこれまでの催しで最大の50名。幅広い年次、校種の人が沢山あつまり会場は熱気が溢れていました。(左下)オンライン参加頂いたお二方。1期生の佃さんと土屋さん。集いには殆ど参加している熱意には脱帽です。(右下)
OBOG夏の集い
アイスブレイクを楽しむ小学校教員と大学院生のグループ
OBOG夏の集い
こちらは特別支援教員のグループ。終始ニコニコ顔です。
企画②-1 「ICT講座」
続いて1期生の奥村さんの登壇。奥村さんは中学校教員4年目。
ICTについては学校職員に教えたり、学校を代表して講師を務めるほどの知見・スキルの持ち主。
後輩のために惜しげもなく、試行錯誤を経て培った知識・スキルを伝えてくれました。
OBOG夏の集い
奥村さんは、流石落ち着いていて、わかりやすく数々のICT事例を説明してくれました。堂々として好感が持てますね。
OBOG夏の集い
企画②-1 「ICT講座」
ICTの意義とは、教員にとって業務効率化。生徒にとっては学びが深まること。
経験に裏打ちされた明確かつ説得力ある説明の約1時間。
会場は、うなずき、納得する姿が溢れていました。
 ただ若いからということでICTを全面的に任されてしまってから3年後には職員会議で研修したり、学校を代表するほどになった奥村さん。進展目まぐるしいICT知識スキルの習得と子どもへのわかりやすい指導にまい進する一方で、時短効率を強調するとベテラン教員の中には文句をいう方もいて苦労されたそうです。また、生徒のためにと、ICT推進に頑張りすぎても深みにはまってしまうので、理解推進には「バランス感覚が大事」とのことでした。
 さて、奥村さんは、一部ご紹介したパワーポイント画像に沿って、具体的な事例を誰にでもわかりやすい言葉で説明をしていきました。主語が「生徒」なのか「先生」なのかでICT活用が分けられるという大枠説明。参加者が思わず頷く納得の顔また顔でスタートしました。
 わかりやすいうえに、内容盛沢山で配慮の行き届いた説明。全部書いたら何十頁も要してしまうので、ここでは説明された事例のポイントを幾つかご紹介します。
業務効率化の事例
 共同編集機能を使い、実際に共同で司会の原稿を作ってもらうことの事例。小テストにICTを活用することで自動採点され、ペーパーレス化は勿論、時間を減らし、生徒へのフィードバックも早くできてしまうという事例
 Googleドキュメントの音声入力機能で生徒の意見を読んで文章を生成することで、タイピングの大幅な時間省略が可能になるという事例説明などがありました。わかりやすく滑らかに聴き手の頭に入っていくようでした。
 前述のようにICT化は地域によって、学校によって、先生によって大きく落差があって、進んでいない環境にいる教員にとっては目から鱗の事例説明だったようです。
学びを深めるツールの説明
 Google meetの活用で板書を生徒のタブレットに映し、意見をリアル板書に整理する使い分けによって凄く子どもにとってわかりやすくなったそうです。つぎにGoogleジャンボードで生徒の意見を可視化すること、その道徳の授業への活用などが説明されました。社会の授業など、縄文、弥生など時代の変化も写真で学べて、色んな見方をすることの学びが促進されるとのことでした。
 さらに、学年のレクリエーションなども生徒の意見を可視化してまとめられるなどの事例説明があって、実にわかりやすかったです。続いてKahootとGoogle Forms。生徒ひとりひとりがタブレット機能をつかって、みんなで分担してつくる共同作業は、ひとりひとりの情報を皆にみせて全体化し発表することが団結力にもつながったとのことでした。
 この講座がいかにためになったか、財団で参加者アンケートを事後に行いましたが、奥村さんの講座満足度は100%でした。その中身は「具体的な事例を説明してくれたことで自分の授業に活用できる」「知らなかったツールを応用できる知見が手に入った」「奥村講師が、さぞ多くの難関をクリアして培っただろう技能を伝えてくれた、その熱意と工夫に感謝でいっぱい」など感謝に満ち溢れていました。
OBOG夏の集い
奥村さんの講座風景、みんな真剣です。
OBOG夏の集い
会場後部の皆さん。オブザーバーも含めて講座に聴き入っています。
企画②-2 「ICTグループ交流」
奥村さん講義の学びも活かしつつ
校種別にわかれて、悩みやうまく行ったケースなどを共有し
みんなの知恵を出し合います。河邉さん登場。
 河邉さんは3期生で、福岡市の小学校教員2年目です。凄く忙しいはずなのに、そんなことはおくびにも出さず、いつも講座に集いに、近況報告会に参加してくれて、運営委員を引き受けてくれます。
 落ち着いていて気さくで、グループワークの司会進行にはもってこいの存在です。
OBOG夏の集い
グループワークの進め方を説明する河邉さん
OBOG夏の集い
ICTの活用は、校種によってかなり違うだろうとの考えでできたグループ表
以下にグループ発表のいくつかを紹介します。
①そもそも環境が整っていない学校は結構ある。なんとPCが学校で2台しかなく、その都度借りる準備が必要。

②国語の先生には「手で書いて漢字を覚えさせたい」人もいて、ICTでは出来づらいという指摘がある。国語は一択に絞りづらかったり、答えが決められない場合があったり、ICTを推進したいけどその向き不向きなど精査する必要がある。

③実際にICTを使っている先生の意見
ICT活用は目的ではなく手段と考えることが重要。ロイロノートを使って可視化させて、子ども・生徒のワクワクを引き出して行きます。

④生徒の“困りごと”を解消する、なくすことが教師のICT活用モチベーションです。
ICTは、 1)ICT活用している先生から吸収すること 2)Google主催のセミナーに参加することで覚えました。

⑤本に対する興味関心をGoogle Formsでまとめて授業展開に活かしている。

⑥子どものICTスキルを高め、積み重ねて行くと、6年生が1年生にわかりやすく指導できるようになり、両者が学びを深め合うことが実現できます。

⑦使う自由度を高くしすぎると、スキルが進歩する反面、生徒が遊びに使ってしまうことに注意しなくてはいけない。

⑧特別支援では、先生も一丸となって取り組む姿勢が大前提。そのうえで発達年齢・子どもの実体にあわせたアプローチとルールづくりが重要になる。
一方で、コトバを使わなくても発表できる点など、タブレットには学習のしやすさがある。

⑨特別支援では、子ども・生徒の障がいの程度差に応じることのすり合わせが大変だけれど、子ども・生徒ひとりひとりの課題を解決するためにICT活用にとりくんでいきます。

⑩Teamsで保護者に子ども・生徒が作った図工の作品を送ったり、フィードバックやお知らせが早くできるメリットがあります。
スライド活用で、授業のテンポが上がり面白さにつながります。
OBOG夏の集い
真剣に話し合っている様子の中高国語グループ。淡々と高度なことを話している様子でした。(左上)小学校グループ。しっかり頷いて相槌うって、話をちゃんと聴いている様子。好感が持てますね。(右上)オンライン参加のお二人も、グループ話し合いに積極的に参加していました。(左下)お、ナイスな笑顔の阿井さんたち特別支援教員グループ。みんな優しそうですね。(右下)
1日目、長時間おつかれさまでした。
明日参加できない人もいるので、ここで記念撮影
皆さんニッコニコのいい笑顔です。
OBOG夏の集い
そしてOBOG会大学院生の参加もあって、
OBOGの集い史上最大の懇親会が開催されました。
写真で紹介していきます。
OBOG夏の集い
懇親会の司会進行は、1期生の尾形OBOG会会長。スピーチもすでに円熟の域。
OBOG夏の集い
博報堂教育財団の中馬常務理事による“ご挨拶と乾杯”さあて、懇親会のスタートです。
OBOG夏の集い
会場は若さで埋め尽くされ、明るいエネルギーで熱気が溢れていました。
OBOG夏の集い
「OBOGの集い」史上最大の懇親会それはもう、和気藹々。泣きはなくて笑いに溢れときには相談あり、人によっては説法あり賑やかな1時間40分はあっという間にすぎました。
OBOG夏の集い
中締めのご挨拶は、博報堂教育財団の興津事業局長「中締めのいろいろスピーチ」で参加者を魅了。
8月27日(日)AM10:00 ワークショップ2日目
“とことん交流づくし”昨夜の疲れも何のその。定刻までには全員が集合。
流石社会人、皆さん山下リーダーの本日の進行説明をしっかりと聴いていました。
OBOG夏の集い
2日目の朝の会場全景。皆さんヤル気充分です。
本日のワークショップ開始
企画③は、「『将来の夢史』を振り返ってキャリア教育を考えよう」
1期生坂浦さん(リーダー補佐)の登壇です。
『将来の夢史』を振り返って
キャリア教育について考えよう
 講座の流れをご説明。まず、過去に自分が欲しかった働きかけを思いだし、子どもの頃の気持ち、考えを鮮明に思い出します。
 次に、自分の夢史年表を作成し、グループで共有します。
 最後には明日以降の教育活動とくに子どものキャリア教育に活かせるアイデアを出し合います。
OBOG夏の集い
坂浦さんは1期生 立命館大学教職大学院卒業後、横浜市立小学校教員。真面目で熱意と誠意溢れる好青年。誰からも信頼を受けながら、何故か笑いもとれてしまうのが彼の魅力と言われています。
セッション1 坂浦さんの『将来の夢史』公開
坂浦さんが切々と語る自分の子どものころ。そして少年期、青年期、教員となった今に至る“自分の歴史” “やりたかったこと、なりたかったもの”の数々。
そしてそのとき感じたことやショックを受けたこと。繊細な彼らしい丁寧な言葉でその時に戻って自己開示してくれました。
OBOG夏の集い
①~②
相手が自己開示するには、まず自分が自己開示すること。坂浦さんのお話を手本に、まずは個人の自己洞察による夢史ふりかえり、そして共有。
皆さん過去のそのときになって自分の夢史をメンバーに開示していました。

次に③過去の自分が欲しかった働きかけ。
これについては、皆さんのお話から聞き取れたもののいくつかのエッセンスをご紹介します。
・ 家族と先生以外につながれる機会が沢山欲しかった
・ どんな大人になりたかといった、視点違いの問いかけが沢山欲しかった
・ 高校の時にやりたかったこと、適正、不得手と折り合いをつけたい
・ 過去に、教師の夢プロセスの説明をされたことはなかった。してくれれば…
・ バレーボールを目指すと言った時、顧問から無理とだけ言われた。もっと肯定的に接してほしかった。気持ちを聴いてほしかった
・ 子どもが好きだからと先生を選ぶ過程で、子ども好きに相応しい色んな職業を知る機会が欲しかった
・ 職業体験は学校の勝手な割り振りだった。色んなことを体験したかった
・ やはり視野を広げる機会を高校生までに沢山つくってほしい
・ 職業だけが将来の夢と決めつけていたし、決めつけられていた
・ 夢は職業以外でもよい。プロサッカー選手にならなくてもサッカープレーヤーであり続けることは充分夢を達成している。そういうことを教われたら…
・ 今になってみると先生以外の「受け入れてくれる」複数の大人と交流すべきだった
・ 夢は変わっていいんだという教え
・ 自分がどういう人間かを伝える機会を多く持てたら…
聞き取れた範囲では、背中を押すスタンスで、肯定的に接して欲しかったというお活、もっと様々な視点と広い視野を提供してくれる大人との出会いが欲しかったというお話が多かったようでした。

発表 子どもたちに“出来る働きかけ”は何か10数名の発表者の中から8名様の模様を写真紹介。スペースの関係で載らなかった方、ご勘弁ください。
OBOG夏の集い
3期生の丸野さん 兵庫教育大学教職大学院初めてのOBOG会企画“教採2次への道”の企画者です。(左)3期生の森島さん 大阪教育大学大学院卒 高校教員 いつもながらしっかりとしたお話です。(右)
OBOG夏の集い
2期生の村井さん 愛媛大学教職大学院 エンジェルス大谷さんを観に渡米。記念のユニフォーム姿。(左)3期生の村山さん 鳴門教育大学卒 小学校教員 真面目さと気配りが際立っていました。鉄道好き♪(右)
OBOG夏の集い
4期生の佐藤さん 上越教育大学大学院 様々な催しの幹事を引き受けてくれています。(左)4期生の範國さん 岡山大学卒 小学校教員 近況レポート特別編、中国・四国ブロックに出演いただきました。(右)
OBOG夏の集い
3期生の大塚さん 岡山大学大学院 財団のエデュケーションギャザリングに参加。全出席の真面目さ。(左)2期生の坂本さん 鹿児島大学卒 小学校学校教員 流暢なご説明、わかりやすかったです。(右)
発表 子どもたちに“出来る働きかけ”
その内容は、子ども・生徒への奥深い愛と優しさに裏打ちされた具体的なものが多かったです。魂を込めたとでもいうべき真剣なトークの中から幾つかを下記にご紹介。
①背中を押してあげること。これを貫く。職業を紹介するコーナーを学内に設置する。

②イメージすることの大切さを教えたい。本人が“何をしたいか”“思っていることは何か”を明確にイメージできるようにしてあげたい。

③言葉がけを大切にしたい。夢=職業で捉えるのではなく、どういう大人になりたいかを考えてもらうようにする。

④教師自身が色んな世界の人と知り合って、その話を伝えてあげること。

⑤曼荼羅チャートなどをつかって“好きなこと”を書き出していくこと。

⑥○〇になりたい、○〇がしたいという(子ども)の気持ちを大切にする。

⑦その子がやってみてできなかったときにかける言葉がけを沢山もつようにする。

⑧保護者と協力共有できる関係を築き、子どもに「おうちで話してみては」と言える環境を作ってあげること。

⑨大谷さんは“ケガ”のお先に何かを掴む。

⑩子どもの将来の夢(職業)以外を支援する。〇〇バカにならないように支援したい。

⑪自分史を語る準備。例えば親の仕事を、どんな意味があるか、どんな人生かとロールプレイする。

⑫ありのままの自分を出すこと。

⑬不得意を隠さない。

⑭近道が絶対良いのではない。遠回りすることも意味をもつことを話す。

⑮まず自分の選択肢を増やす。海外を含めて人脈を充実させる。資産をガンガン使って、子ども達の選択肢を増やしてあげたい。
OBOG夏の集い
最後は、坂浦さんのまとめ
子ども達が夢を持てるようにしてあげたいという願い
自己開示が交流・関係性を深めるという体験をしてほしいという思い
充分に伝わったセッションでしたね。
 事後参加者アンケートによると、この「『将来の夢史』を振り返って考えよう」は、満足度100%で、非常に満足と答えた参加者が9割を超える結果でした。
 満足度の中身は「自分の人生を振り返り原点に戻って考える希少な機会が持てたこと」「親にさえ語ったことのない自分の夢史を共感的に聴いてもらい気持ちがホッコリした」「自分の実感をもってキャリア教育の方向を考えられた」「夢の変遷の共有が、参加者との距離を縮めた」などいうものでした。
そして最後のセッション
企画④は、「キャリアごとの悩みを共有しよう」です。
この企画は、リーダーの山下さんが中心となって設計しました。
校種・年次キャリア(校種別教員何年目とか社会人、院生・志望校種)のグループで、日頃の悩み、このワークショップでの気づきなど、キャリアごとに特徴的な悩みを共有。それをホワイトボードに書きだします。その内容を見て先輩グループがアドバイスをします。目の前の2学期に安心して臨めますね。
OBOG夏の集い
何と上手に分けられたグループでしょう。
OBOG夏の集い
 まずは自己紹介のアイスブレイク。間に懇親会などを挟み、3つのセッションを共にした同士。和気藹々と流れるようにリズムの良い会話の数々。より深い交流関係となって、作業に移行。前のセッションの効果を受け継ぎ、皆さん自己開示がスムースでした。
OBOG夏の集い
OBOG夏の集い
 様々な角度から、プライベートに仕事に、悩みをポンポンと口に出しては書いて討議してまとめる。流石学校教員、社会人とその予備軍。手際よいし、平等に意見を聴いて合意形成も早かったです。見事な手さばきに感服! 下記に、その作業風景をご紹介
OBOG夏の集い
小学校教員グループ(左上)中高教員グループ(右上)右手は特別支援教員グループ(左下)大学院生グループ (右下)
OBOG夏の集い
 準備された、アドバイスグループ表。どのグループがどこにアドバイスするか、きっちりと設計されています。もう1種類ちゃんと後半分も設計されていました。山下リーダーはワイルドに見えて緻密な人なのでした。
流石先輩!! まだ皆若くて、最長の人でもキャリアは4年目です。とはいえ1年で得る経験則、スキル、知見は相当量なのでしょう。的確でわかりやすいアドバイスを後輩たちに送っていました。下記は、先輩のアドバイス風景
OBOG夏の集い
特別支援教員3年目の坂平さんのアドバイス。丁寧で具体的、醸し出す楽しい雰囲気。
OBOG夏の集い
中高国語教員3年目の、尾形さんのアドバイス。威風堂々、貫禄のもたらす説得力。流石
OBOG夏の集い
大学院生グループにアドバイスを送る、小学校教員1年目の村山さんと範國さん、等身大の目線でかつ懇切丁寧。皆さん頷いていました。
OBOG夏の集い
特別支援学校教員3年目の高橋さん。優しさと心尽くしの説明。和ませていました。
同じキャリア同士で出し合った悩みに、青や赤のマーカーでアドバイスポイントを丁寧に書き添える先輩たちの説明も無事終了へと向かいました。
ここで、書きだされたホワイトボードの数々をご紹介。
OBOG夏の集い
先輩たちのアドバイスセッション全般を通して
 仕事のスキル、研究の進め方などを深く聞く一方で、教員は忙しすぎて、どうやって時短するか効率化するかなどが仕事面の悩みに多いようでした。
 先輩たちは「授業の型を決めておいて、生徒の話し合いや作業の時間を採点などに充てる」「喋るのが苦手なら、相手を褒めて話をしてもらえばいいと思うよ。」など、非常に具体的で痒いところに手が届く説明をしていました。
 次に特徴的だったのは年配者との付き合い方、会話の仕方など、普段なかなか相談できないようなテーマが多かったです。
 「呑み会では『え~凄い』と言いなさい」「ベテランとは娘面して付き合うのです」「ベテランには親への感謝を語ると効く」など思わず笑ってしまうようなアイデアが飛び交っていました。
 また、恋愛や結婚観、息の抜き方、趣味の持ち方まで幅広く、時に深く相談にのる姿が随所に見られました。
 ここまで胸の内を公開してしまえる関係性、どんなことでも応えようとして、苦労して覚えたことも、惜しみなく伝える姿がこんなに見れるのは「この集いならでは」だと感じました。
 事後調査結果からは、後輩として「長時間多様なアドバイスを先輩からもらえる貴重な機会でした」先輩としては「経験を後輩が納得してくれることで自信が持てた」とのことです。
 全体終了後に、何人かの教員1年めの方々に聞いてみたところ、皆さん2学期に向けてのみならず、本質的なことプライベートなことも含めて不安がかなり解消されたとのことでした。

 さて、2日間にわたるOBOG自主企画のワークショップも、博報堂教育財団・中馬常務理事の総評と挨拶をもって無事終了しました。
 「後輩の不安を解消することに徹したい」この熱い、心からの申し出に胸を打たれてお任せしてから3か月半。企画と緻密な当日実施の設計。さぞ大変であったと思います。
 また、夏休みとはいえ2学期スタートを間近に控える中で参加してくれた学校教員、社会人、大学院生の方々、2日間の学び合いと支え合い体験お疲れさまでした。
 より深く、幅広い交流のために24年3月2日、3日“OBOG春の集い”が開催されます。是非ご参加ください。(今回は修了生のみの参加です)
OBOG夏の集い
2日目も記念写真を撮影しました。
今回、このコンテンツは奨学生のOBOGおよび奨学生、関係者に配信いたします。
コピーや転送、対象外の人の閲覧は、厳禁とします。