OBOG近況報告特別企画 vol.4
2023/10/20 UPDATE
OBOG近況報告特別企画 vol.4
ブロック別座談会
九州ブロック
2023年8月23日
オンライン

○メンバー
河邊琴音さん (3期生 熊本大学卒 福岡市小学校1年担任) (画面上段左)
坂本侑那さん (2期生 鹿児島大学卒 福岡市小学校2年担任) (画面上段右)
福永桃子さん (4期生 宮崎大学卒 宮崎市小学校3年担任) (画面下段中央)

九州という地域の魅力をあらためて再確認。
「教材研究ツアー」などで交流を深めていきたい
 奨学生OBOGは現在約200名、10年後には1000人規模になる予定です。今後年に約100人ずつ増えていくOBOGの学び合い・助け合いを進めるためには、全国一律の「集いなどの施策」だけでは限界があり、地域ごとの交流を強くしていく必要があるという思いから、地域ブロックのなかで積極的に催しに参加協力してくれているOBOGに集まっていただき、地域の交流をどうしていくかを考えていただくブロック別の交流が始まりました。第4回は九州ブロックです。夏休みも終わりが近い8月下旬の夜、集まってくれたメンバーは福岡市の小学校勤務の河邊さん、同じく福岡市の小学校勤務の坂本さん、そして宮崎県の小学校勤務の福永さんの3人です。「①自己紹介、自己開示」「②地域についての情報交換」「③近況報告会」「④OBOG同士の交流」「⑤数年後のブロック内の学び合い・交流のあり方」という5つのテーマについて、九州ブロックを代表して話し合ってもらいました。
テーマ①_自己紹介、自己開示
子どものトラブル対処、配慮が必要な児童、学習指導などの課題を共有
財団―今日はお集まりいただき、ありがとうございます。それぞれの自己紹介に続いて、皆さんが「教員として今感じている課題」についてお話しください。
福永 今年から小学校に務めて1年目です。クラスは38人で、子どもたち1人ひとりに個別の指導が行き届いていないのが課題です。例えば算数で理解できてない子がいても、テスト前に1対1で指導する時間があまりとれない状況が続いています。振り返ると、そもそも子どもと話す時間もあまりとれていない気がします。またクラスには感情的になりやすい子が数人いて、子ども同士のけんかもよく起こります。そういうトラブルへの対処は大学でも学ばなかったところで、教員が最初から止めに入るのではなく、子どもたちで話し合って解決することも学ばせたいので、どう介入すればいいのか悩みます。
財団―教員2年目の坂本さん、福永さんの悩みにアドバイスがあればお願いします。
坂本 福永さんのお話を聞いて、自分の1年目と重なるなと感じましたね。私のクラスもけんかはたくさん起きていたので、1年間を終えて私が獲得した一つの方法は、けんかをした双方の話をよく聞くことです。例えば、相手を叩いたときは「なぜ叩いてしまったの」「本当は何を伝えたかったの」と聞き、「それで伝わったの?」「どうすればよかった?」と尋ねていくと、当事者の子から「(叩かずに)ちゃんと嫌だと言えばよかった」といった言葉が出て、子ども同士で解決へと進んでいけます。それを見ていた周りの子たちも、クラスでけんかが起きたときに教員を呼ぶだけでなく、自分たちで話を聞いてあげる姿が増えたので、それは昨年1年間で学べたところかなと思います。
財団―福永さん、参考になりましたね。それでは坂本さんと河邊さん、ご自身の課題についてお話をお願いします。
坂本 夏休みの終盤の今の時点で感じている課題は2点です。1点目は、教員2年目になり、昨年より授業にはゆとりを持てるようになりましたが、一斉指導ではなかなか伝わらないといった配慮が必要な子に対し、アプローチの仕方がまだまだわからないということです。2学期以降、しっかり考えていきたいです。2点目が、2年目になって校務分掌をたくさん任せられるようになり、それを効率よく割り振りするのが難しいです。もし上手にお仕事されている方がいて「ここは手を抜いていいよ」「こういう時間の使い方がおすすめ」といったアドバイスがあれば教えていただきたいです。
河邊 私は学習指導面と、配慮が必要な子との関わり方の2つが課題だと思っています。学習指導に関しては、1年生で一桁の足し算もできない子がいて、どう指導しても伸びないことに悩んでいます。学習の定着は繰り返しですが、その子にとっては嫌いなことを何回も繰り返すのも苦痛だと思うし、何をどうすればいいのか悩んでいます。もう一つの関わり方は、クラスで教室を飛び出ていく子が3人いて、その対応に困っています。1人の子は構ってほしいタイプなので、放課後に私と2人で話をする時間をとっています。それでも気づいたらいなくなっていたり、体育の時間に遊具で遊んでいたりするので、どうするのがその子たちにとって一番いいのか、これからさらに考えていきたいです。
OBOG近況報告特別企画 vol.4
福岡市の小学校に勤務する河邊琴音さん(教員2年目)。休日は趣味のバレーボールで体を動かしているそう。
財団―結構大変ですね。坂本さんはそういう子に対して何かしていますか?
坂本 教室を飛び出す子はあまりいませんでしたが、2年生のうちのクラスにも教師にかまってほしい子どもはいます。その子は通級指導教室にも通っているので、通級の先生にお話を聞きながら対応している段階です。とにかく自分に知恵がない部分は誰かに相談したり、聞きに行ったりするようにしています。
財団―このような課題の共有は非常にためになることと思います。皆さん週末の「夏の集い」に参加したときに是非この続きの話し合いをしてください。
※当取材は、OBOG夏の集い「8月26日・27日開催」の3日前に行われました。
テーマ②_地域についての情報交換
島との交流など、学習環境が豊か。文化や祭り、産業も多彩な九州
財団―次に「地域についての情報交換」です。勤務先に九州の各県を選んだ理由と地域の教育の特徴、同じブロックの教員に質問・相談してみたいことをお話ください。
河邊 私が福岡市を選んだのは、高校を卒業するまで育ったところで働きたかったのが一番の理由です。学校の特徴としては、福岡には小呂島という島があり、そこの児童とうちの学校の子どもたちとで交流をしています。福岡市は都会もあるし自然もあるし、いろいろな学ぶ場所があるのがいいところです。一方、働き方に関しては他校の先生の話などを聞くと、大変そうだなと思うことがあります。同じブロックの教員に相談したいことでは、私は熊本大学出身です。熊本県はとてもICTに力を入れていて、今の福岡県とはタブレットの機種も活用法も全然違います。特に福岡市内にいる先生にタブレットの使い方や、初任研・2年次研のことを聞いてみたいです。
坂本 私が福岡市出身で、地元での就職は自分がこれまでに習ってきたこと、自分が経験してきたことを子どもたちに伝えられるところが魅力かなと思います。福岡市のよい点は、市内に動物園や博物館・美術館といった公共施設が充実していて、遠足や校外学習でさまざまな経験ができる地域だということです。さらに博多どんたくや博多祇園山笠など、いろいろな文化や祭りも豊かです。鹿児島大学に進学しましたが、一度違う土地で生活をしてみて、福岡の魅力にあらためて気付いたところがあります。自分の学校の困った点は、学校のICT環境があまり整っておらず、使いたくてもなかなか不自由なところです。私は今年からICT担当になったので、他校ではどのように活用しているか、お聞きしたいです。
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坂本侑那さん(写真内上)は福岡市の小学校に勤務して2年目。趣味は漫画、猫カフェ、絵を描くこと、歌うこと。
福永 勤務先に宮崎県を選んだ理由は、出身が宮崎で大学も宮崎大学で、県内に就職すれば休日に大学の友達にもすぐに会って話せるので、宮崎で教員になろうと決めました。宮崎県は県としては自然が豊かな環境ですが、私の学校は街中にある県内で一番大きい小学校で、自然が身近というわけでもないです。大きい小学校なので今年の初任者は私を含めて3人いて、初任者同士で悩みを話すこともできるのはいいなと思います。困った点では、教育熱心な保護者が多く、学力も高いといわれているので、「うちのクラスで平均点を下げたらどうしよう」といったプレッシャーを感じることです(笑)。同じブロックの教員の方に相談したいことは、授業準備のポイントや、けんかのない温かい関係のクラスづくりのために工夫していることです。
テーマ③_近況報告会
別の地域の大学の同期や、懐かしい仲間と対面で会える大事な機会
財団―続いて、「近況報告会」についてです。近況報告会について、どのような点がどのように役立っているか、どんな要望があるかをお聞かせください。これまでの座談会では、ゲームより教員としての悩みを話し合う時間がほしい、近況報告会の前後に同じ大学の先輩後輩や知り合い同士で集まるのが大事といった話題が上がりました。
河邊 私は3期生で、リアルで集まる近況報告会はこの前の冬の1回しか参加していません。でも近況報告会という機会があることで、熊本大学の同期に会えるのはすごく嬉しいです。私が大学生のときに参加できていたとしたら、現場のことをもっと知りたかったなとも思います。確かにゲームは楽しいし、仲良くなるきっかけにもなると思いますが、私は学生時代に熊本にいて福岡のことは全然知らない環境にいたので、そこで働いている先生方のリアルな声をお聞きしたかったです。今は私が現場に出ている立場として、福岡市で先生になりたいという奨学生がいたら、積極的にお話をしたいなと思います。
坂本 私は2期生で、どちらかというと対面の時期が多かったです。初めての近況報告会も大阪で集まり、3人相部屋で宿泊していたので、そこで出会った仲間とは今でも近況報告会で会うと「久しぶり」と声をかけ合って、他愛もない話もできる環境があります。近況報告会でそういう仲間作りができたら、一生の友になると思います。要望としては、勉強や各学校の情報を共有するのも大事ですが、今、私は絵本の読み聞かせを頑張っているので、おすすめの絵本や本の紹介などもあれば嬉しいです。
福永 私は定期的に交流会を開いてもらうことが大事かなと思っています。近況報告会に行くと近くの人とLINE交換をしたりしますが、その後はお互いに忙しくてやり取りできないことも多いので、リアルに会う場を定期的に作ってもらえれば、関係性を維持しやすいと思います。ゲームももちろん大事ですが、教員は学級のことや授業のこと、校務分掌のこと等、たくさん話すことがあるので、話す時間を増やすことも大事になると思います。要望としては、現場の教員が職場の人には相談しにくいような悩みがあったときに投稿すると、200人ぐらいの奨学生OBOGが一気に見てくれ「僕はこうしている」「私はこうしている」とアドバイスや反応をくれるという、そういうつぶやき箱のようなアプリがあるといいのかなと思います。
テーマ④_OBOG同士の交流
SNSのつながりと、財団の催しのOBOG企画などでの交流が中心
財団―次に、皆さんの「OBOG同士の交流」はどのようなものでしょうか。教えてください。
坂本 私はインスタグラムとかSNSで、親しいOBOGとつながっています。特にインスタグラムは相手が発信している情報を見て、こちらからもリアクションをしています。つい漏れてしまった感じで弱音をつぶやいていたら、「実は私もなんだ」と共感したりして会話をすることがあります。それから河邊さんは自分と同じ福岡市勤務なので、プライベートではあまりお話できていませんが、交流会で会うときは積極的に話をしています。それから、今までは2期生の小さい仲間内だけの交流でしたが、財団の催しのOBOG会に参加することで1期生の先輩方とも関わりが増えたので、最近はOBOGの輪が広がっているなと感じます。
福永 私は教員1年目なので、OBOG同士の交流は研修の合間に話す程度です。私は4期生で今年から運営で活動を始めたので、1・2・3期生と運営の人たちとも期に関わらず積極的に交流をして、ネットワークを広げたいなと思います。私は宮崎出身で、ふつうに話しているだけで先輩方から「宮崎弁がかわいい」と言ってもらえたりします(笑)。この夏の交流会の準備も楽しみながら進めたいです。
OBOG近況報告特別企画 vol.4
今年度から宮崎市の小学校に勤務する福永桃子さん。現在3年生の担任で、校務分掌は生徒指導(記名指導)。
河邊 私もOBOGとの交流はそれほど多くないですが、インスタでつながっている人がいます。あと去年の夏の集いで、OBOGの集まりで仲良くなった人が1人います。その人とは別の財団の研修で東京に来たときに、研修前に2人で東京観光をしました。そこで少し深い話もできたので、すごくよかったなと思っています。
テーマ⑤_数年後のブロック内の学び合い・交流のあり方
九州各地に教材研究ツアーに行き、写真や資料を共有できれば
財団―それでは、今日の座談会の最後のセッション「数年後のブロックの学び合い・交流のあり方」に移ります。皆さんから事前にもらった提案を共有します(下参照)。他の座談会でもSNSや、悩みをつぶやくと答えてくれるアプリがほしいというお話はありました。リアルでの集まりでは各県が順に幹事になり、地域のOBOGを案内するという話も複数のブロックで挙がっています。ここで15分ほど時間をとりますので、皆さんで九州ブロックのOBOGの交流を活発化するにはどうすればいいか、話し合ってみましょう。最後にどなたかがまとめてお話ししください。
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福永 九州は意外と移動が大変ですよね。新幹線も通ってないし。でも、せっかくなのでリアルに会うのがいいですよね。
坂本 リアルな場で何をしたいですか? 地域主催飲み会、みたいな?
福永 やりたいです!
坂本 そうですね。小学校高学年になると、社会や総合の時間で、地域・県・日本のよいところなどを学びますよね。そこで参考になるように九州の各地域の豆知識を得られるような、フィールドワークに私は行きたいです。この地域はこれが名産でこんな祭りがあるとか、復興した熊本城は……と見に行くと勉強になるし、楽しいんじゃないかなと思いました。琴音さん、何かありますか?
河邊 確かに九州は歴史のある県が多いです。子どもに話すときも、自分が実際に行ったところについて話すのと、一度も行ったことがなく、ただ教科書を見て調べただけのことを話すのではまた違ってくるから、フィールドワークはいいですよね。九州での移動は車がないと困ると思うので、移動中に車の中で話をしたりできたら、自分のことも話せるし相手のことも知ることができて、いいのかなと思います。
坂本 それでお互いの関係性ができたらSNSでつながるといいですね。その子の顔を思い浮かべながら相談したり返事をしたりできるので。福永さんの宮崎県も名産品がいっぱいあるから、いいですよね。宮崎県の特産のきゅうりは栽培方法が有名だし、星もきれいに見えそうだから理科の勉強にもなりそう。
福永 案内しますよ。教材研究ツアーみたいな感じですね(笑)。今度、国語で「ちいちゃんのかげおくり」をやる予定なので、この夏休みに長崎か広島に行って写真を撮りたいと思っていたんですが、台風が来たりして行けていないです。宮崎からだと広島は飛行機で行くのも難しくて、長崎もバスで5時間とかかかるので……。でも実現が可能であれば、みんなで教材研究やフィールドワークに行ってみたいです。
坂本 そういえば、3年生で「昔の道具」を調べますよね。大分県の豊後高田市には「昭和の町」があって、私は冬休みにそこに行ってたくさん写真を撮って帰りました。あと今年は広島の原爆資料館なども訪問しました。福岡からだと、山陽新幹線で1時間くらいぐらいで広島に行けるんですよね。だから1日目に福岡で集まって、2日目に広島にフィールドワークに行くよ、みたいなこともできます。
福永 いいですね、ぜひやりたいです。これは準備も必要だと思うので、時期は夏休みがいいですね。
河邊 例えば、種子島の鉄砲伝来の場所の教材研究などに行ったら、そこで撮った写真をアップして共有できる場所があるといいのかも。そして「九州ブロックの人は誰でも使っていいよ」ということにすれば、都合がつかずにツアーに行けなかった人も「ちょっとこの写真を借ります」といった使い方ができます。ツアーだと、毎年行ける人と行けない人が必ず出てくると思うから。
福永 ツアーの写真だけでなく、ふだんから各県で撮った写真を共有でき、いろいろな人が活用できる仕組みがあるといいのかも。福岡県の教員が、長崎の先生が長崎で撮った写真を使えるというような。そういうアプリや仕組みがあると便利です。
坂本 アップした写真が資料として残っていけば、新しくOBOGが入ってきて、1年目で一番教材の材料がないときに、それまでの蓄積された写真を使えるから、いいかもしれないですね。それをするなら、アプリはLINEとかになるのかな。LINEは写真の保存期限があるけど。
河邊 LINEですかね。LINEのアルバムで福岡、長崎、佐賀といった分類を作って、そこに写真を入れると「誰々さんが長崎に追加しました」となるようなイメージです。アルバムなら、多分後から入ってきたOBOGでも見られますし。
福永 事前の資料にも書いたんですが、私は地域の「憧れの先輩や、授業の上手な先生の授業を見に行く」というのもやってみたいです。学校でも初任研の研究授業がありますが、授業を見せてもらうと、ものすごく勉強になります。そして見た後にOBOGと協議をしたりすると授業力が高まると思います。
坂本 指導案を見ながら「こういう感じで進むんや」みたいなことですね。でも学校の許可はいりそうです。実現までには少しハードルがあると思うけれど、それが実現したら若手のためにはなりますね。確かに「百聞一見にしかず」で、いろいろな指導を言葉で聞くより、すごい人の授業を1回見ただけでイメージがわきますから。私も去年、授業を見るって大切だなと思ったので実現したら嬉しいですね。
財団―あと2分程度ですが、いかがですか? よろしければ九州ブロックのまとめをお願いします。
坂本 それでは私が発表します。抜けているところがあれば河邊さん、福永さん、教えてくださいね。
 九州ブロックでは、大きく2点あります。一つは、長崎や沖縄では戦争の歴史があり、熊本には熊本城があるなど、九州にはそれぞれの地域の歴史や特性があるので、それらを現地に行って知るフィールドワークや教材研究ツアーをしたいということになりました。フィールドワークの移動中や宿泊の時間にその地域の教員同士の悩みを共有できればいいなと思います。そして、ゆくゆくはそこで撮った写真や教材資料をLINEのアルバム機能などで蓄積し、新しく入ってくるOBOGも活用できるようにしたいという話になりました。
 二つ目は、OBOG代表の授業を見ることができる場があると、すごく勉強になるのではというものです。優れた授業を見ることが何よりも自分たちのような若手にとっての刺激になるので、具体的な実現までには難しい点もあると思いますが、一応目標として挙げておきます。
財団―九州は歴史的にも学ぶことが多い地域で、フィールドワークはいいですね。一つ質問ですが、今日のブロック座談会は全員が小学校の先生ですが、違う校種も含めた地域の交流についてお考えがあれば、お願いします。
河邊 この前、自分の地域の中学校区で集まりがあり、中学校の先生のお話を聞く場がありました。「小学校でこういうことをしてくれたら嬉しい」とか、「中学ではこんなことを頑張っている」といった話をお聞きして、私自身も小学生の子どもたちをどう育て、中学に送り出すかという視点を持てたので、小学校・中学校といった校種に関係なく地域のOBOGがツアーなどで交流できるといいと思います。特支の先生も、私たちから相談するばかりになりそうですが、クラスの配慮が必要な子にどう対応したらいいか等について意見を聞いたり、交流ができたらありがたいなと思います。
坂本 河邊さんの意見に、まさしく同感です。
福永 私も同じです。他の校種の先生方は、私の知らない専門性や深い知識をもっておられるし、他の校種から客観的に見たときの意見がすごく役立つということもあると思います。だから校種の違う方々との交流も、すごく大事だと思います。博報堂教育財団の奨学生事業では、小学校、中学校、高校、特別支援がつながれるので、すごくいいことだなと思っています。
財団―ありがとうございます。多様な校種の参加者がいると、視点の広がりがありますし、小学校から中学生への接続でも、同じ地域でコミュニケーションを取り合える存在がいるのは心強いはずです。それでは今日のセッションはこれですべて終わりです。最後に今日の感想を一言ずつお話ください。
河邊 ありがとうございました。今後もっと地元の地域で関わっていけたらいいな、とあらためて思いました。特に坂本さんは同じ地域で働いているので、プライベートでも時間があれば一緒にフィールドワークにも行きたいですし、宮崎にも一緒に遊びに行きたいなと思いました。多分誰かが動かないと、地域は動いていかないと思います。この3人でもいいし、他にもいろんな人を巻き込んで「九州ブロックはすごいぞ」と他の地域に見せられるぐらいに輪を広げていきたいなと思いました。座談会ということで自分も考えをアウトプットして学びになりましたし、皆さんのいろいろなお話もお聞きできて、とても勉強になりました。
坂本 今日はありがとうございました。自分で何気なく考えていたことが、意外とみんなも同じことを思っていたんだと気づく場面がたくさんありました。3人が思っているならきっとまだ声を上げていない人たちの中にも、心のどこかで同じように思っている人がいると思うので、今日ここで共有したことを実現し、みんなのためになれるように自分でできることを探してみたいと思いました。また皆さんと相談していて、あらためて九州には魅力がいっぱいあることにも気づけました。OBOGの交流は今は東京・大阪という2拠点が中心になっていますが、九州内でももっと活発に活動できたらいいなとすごく期待をしています。私も、自分でできるアクションを考えたいです。
福永 最初のほうで私自身の課題を話したときに、坂本さんが「1年目は私もそうだった」と話してくれて、同じような悩みを経験している先輩がいるとわかり、すごく心強いなと感じました。子どもとの時間を大切にすることや、自分一人でわからないことはいろいろな先生に相談をすることなど、先輩方が実践されていることもお聞きでき、この座談会でたくさん学ぶことがありました。また地域でできることを話し合った際には、いろいろな案が出てきて、これから私たちができることは多くあるのでは、という可能性を感じました。今日話し合ったフィールドワークや教材研究ツアーも、ぜひ楽しみながらやっていきたいです。勉強、勉強ばかりじゃなく、趣味のように楽しく、ストレスフリーな感じでやれると、もっとOBOG同士の距離感も近くなるのかなと思いました。今後が本当に楽しみです。ありがとうございした。
財団―皆さん、本日は長時間お疲れさまでした。皆さん3人とも、8月26日に大阪の「OBOG夏の集い」でお会いするんですよね。楽しみにしております。今日は時間も遅くなりましたので、ゆっくりと体を休めてください。どうもありがとうございました。
とくに九州ブロックのOBOG・現役奨学生の皆さまへ
 当座談会では、歴史と特性豊かな九州各地域を巡る「教材研究&フィールドワークツアー」を行い交流を深める。そして記録写真やコメントをLINEアルバムなどで歴代ストックしてゆくことで広く教材としようというアイデアが生まれました。
 また、OBOGの授業を是非見学する場を作るという目標も掲げられました。
 読者の皆さんも意見やアイデアを送ってください。どんなことでも結構です。
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