OBOG近況報告特別企画 vol.3
2023/10/20 UPDATE
OBOG近況報告特別企画 vol.3
ブロック別座談会
中部ブロック
2023年8月12日
オンライン

○メンバー
杉江萌花さん (2期生 岐阜大学大学院2年 岐阜県の小学校を受験予定) (画面上段右)
竹村遥奈さん (3期生 愛知淑徳大学卒 愛知県名古屋市小学校1年担任) (画面上段左)
河村歩実さん (3期生 岐阜大学卒 岐阜県特別支援学校小学部1・2年副担任) (画面下段中央)

SNSもいいけれど、「集まりたい」と思える
ような関係性を築くことが最初の一歩
 奨学生OBOGは現在約200名、10年後には1000人規模になる予定です。今後年に約100人ずつ増えていくOBOGの学び合い・助け合いを進めるためには、全国一律の「集いなどの施策」だけでは限界があり、地域ごとの交流を強くしていく必要があるという思いから、地域ブロックのなかで積極的に催しに参加協力してくれているOBOGに集まっていただき、地域の交流をどうしていくかを考えていただくブロック別の交流が始まりました。第3回は中部ブロックです。参加メンバーは岐阜大学大学院生の杉江さん、愛知県名古屋市の小学校勤務の竹村さん、岐阜県の特別支援学校に勤務する河村さんの3人です。これまでのブロック座談会と同様に「①自己紹介、自己開示」「②地域についての情報交換」「③近況報告会」「④OBOG同士の交流」「⑤数年後のブロック内の学び合い・交流のあり方」の5つをテーマに、情報交換や話し合いが行われました。
テーマ①_自己紹介、自己開示
今の悩みは、学級運営やトラブルの指導、特別支援の授業など
財団―今日はお集まりいただき、ありがとうございます。3人に簡単に自己紹介をしてもらいましたので、続いて「教員として感じている課題」をお話しください。杉江さんは現在、大学院生ですが講師としての経験で感じたことをお願いします。
竹村 初任だった去年は、運動会などの大きい行事をクラス全体の雰囲気作りに生かせなかったので、今年は子どもたちにどう育ってほしいかと考えながら、学級運営をしていきたいです。それからダメだとわかっていても、クラスがざわざわしていると私もそれを超える大きい声で注意をしてしまい、静かな環境が作れなくなるので、注意の仕方も考えたいです。あとは今年1年生の担任で、いじめの深刻さなどを伝えるときに学年にあった言葉がけが難しいなと思います。クラスには特別な支援が必要な子もいて、友達づくりなどでこちらがどれぐらい介入すればいいのかも、悩みの一つです。
杉江 私はT2、実習生として教育現場に入らせてもらっていますが、そこで子どもたち同士のトラブルがあったとき、自分がどう関わればいいのか迷います。子どもたちが自分たちで解決する力を得るには、私が全部答えを与えてしまうのも違うと思う一方、見守りすぎていて、いじめが深刻化するのも怖いなと思ってしまいます。今はT2という立場で「自分はここまで対応をしました」と担任の先生に伝えて判断をお任せしていますが、来年は自分が35人40人の子どもたちの責任を負うようになるので、少し不安を感じます。
河村 私が一番課題に思っているのは授業です。特別支援学校は教科書がなく、自分たちで授業を作っていきます。国語でこの時期は何をしようかとか、子どもの実態をふまえて「これぐらいならできるかな」とか、同じ授業でも子ども一人ひとりのねらいや目標を立てて授業をするのが、まだまだ難しいと思っています。他の先生たちのやり方を見ながら、自分も引き出しをもっと増やしたいなと思います。
財団―ありがとうございます。他のブロック座談会で出ていた意見では、若い教員はお兄さん・お姉さんのような存在になってしまい、真剣な指導が通らないといった話がありました。また校務分掌の比重が重くなり、仕事に優先順位をつけたり、事務処理能力を高めたりしないと追われてしまう、との意見もありましたが、そのあたりはどうですか?
竹村 確かに去年担任した3年生では、子どもと友達のようになってしまい、なかなか指示が通らないことがあり、けっこう苦戦しましたね。
河村 校務分掌でいえば、なぜか忙しいときに限ってどんどん仕事が来ると感じることはあります。仕事が集中したときは小さいメモ帳に分掌の仕事、クラスの仕事と一つひとつ全部を書き出してこなしています。
杉江 私は学生の立場からすると、校務分掌が見えなさすぎて恐れています。みんなが大変大変というけれど一言で言えないものだし、細々としたものがあって共有もしづらそうだなと思います。
竹村 私は今年の校務分掌は、すべて先輩についてやっています。先輩が来年異動になれば自分が引っ張っていくことになるので、こういう道具はここにあるとか、この時期に何をしたとか、すべてメモするようにしています。
テーマ②_地域についての情報交換
伝統産業を取り入れた授業、名古屋めしの給食など、地域色が豊か
財団―次に地域についての情報交換です。勤務地に現在の地域を選んだ理由、その地域ならではの学校教育の特徴、同じブロックの教員に相談してみたいこと等をお話しください。
河村 私は出身地が岐阜県で、大学も岐阜大学に進学し、岐阜県の教育・特別支援教育についてずっと学んできたので、他県に比べてよく知っているし、なじみがあると思って就職しました。岐阜県内の特別支援学校は公立・私立合わせて23校あり、県内の地域ごとの特色や産業に沿って実践を行っています。たとえば東農エリアは美濃焼のお皿づくりの産業が盛んなので、特別支援学校の作業学習でもそうした活動を取り入れています。困った点としては県が広いと異動の範囲も広く、地域によって豪雪地帯だったり、アパートが近くに全然ないような過疎地もあるので、それは岐阜県ならではのことかと思います。
OBOG近況報告特別企画 vol.3
岐阜県の特別支援学校に務める河村歩実さん(教員2年目)。プライベートでは国内の温泉旅行が好きだそう。
竹村 私は生まれ育ったのが名古屋です。私はあちこち出かけるのが趣味で、東日本にも西日本にも行きやすい名古屋が立地面でも好きだったので、名古屋市を受験しました。教育の特徴では、給食で月1回は必ず「ふるさと献立の日」があります。さらに不定期に「だいすき!なごやめしの日」があり、給食用にアレンジした味噌カツなどの名古屋めしを食べ、名古屋への愛着を深める取り組みをしています。あと名古屋市と愛知県で教育委員会が分かれていて、愛知県では部活動を先生方が見ていますが、名古屋市は完全に外部委託しています。名古屋市内でも学校によって差はありますが、働き方改革は進んでいるように思います。反面、ICT機器の活用はまだまだという印象です。もう少し使えるようになったらいいなと考えています。
杉江 私は岐阜で生まれ育ち、岐阜大学に進学。親も岐阜で教員をしていたので、岐阜一択という気持ちで受験予定です。昨年に海外留学をして他県や海外で働くのもいいかなと一瞬思いましたが、海外では日本の東京、京都、福岡は知っていても岐阜を知っている人が少なくて悲しくなり、あらためて自分は岐阜に愛着があったんだと気づきました。いずれ、子どもたちと岐阜の魅力を国内外に発信するような授業もしたいなと思っています。
 岐阜の教育の特徴については、先ほどの竹村さんのお話を聞いて、岐阜市はICTが進んでいると思いました。小中学校は確か全員にiPadが配られていて、宿題もタブレットで出しますし、小学3年生でも自分でiPadを操作して発表をしています。岐阜県内でも岐阜市だけなのかもしれないですが、河村さん、どうですか?
河村 小・中学校と特別支援学校でも違いがありますが、特別支援学校では1人1台タブレットが配布されています。ただ授業や児童・生徒の実態によって使える・使えないもありますし、絶対にICTでなければできないということもないので、使い方は先生によりますね。
テーマ③_近況報告会
頑張っている仲間の存在がモチベーションに。行事などの情報交換も
財団―次に近況報告会についてです。年1回ある近況報告会が皆さんの学びと交流に役に立っているか、それはどういうところなのかをお話ください。ちなみに他ブロックでは、ゲームをするのもいいけれど、授業の仕方や生徒との関係性などの悩みを分かち合える時間も作ってほしい、という意見も出ていました。
杉江 私は、去年は留学と重なって参加できていないので、直近の近況報告会のことは話せないのですが、近況報告会では、忙しい日々の中で一瞬立ち止まって考える時間をもてるのがいいなと思います。一見当たり前のことでもあらためて「自分はどう思っているんだろう」と考え、それを仲間と共有できる時間は貴重だなと思います。それから、教育に情熱がある人たちと出会って「私も明日からもうちょっと頑張ってみようかな」「これを取り入れてみよう」と思えるのも有難いです。
竹村 私は、前回の近況報告会で発表させていただきました。そのときに一緒のグループにいた人が私の大学の友人と地域が近く、友人と財団のOBOGがつながるという縁もできました。地域が近いブロック単位で交流することで、つながりが増えたなという印象はあります。また文化的行事とか運動会なども、学校では毎年行うお決まりのものがたくさんあり、前例踏襲になりやすいです。そういうときには他の地域の話がとても参考になります。違う地域の話を聞くことで行事にも新しい風を吹かせられると思うので、近況報告会でそういうアイデアをたくさんもらいたいなと思っています。
OBOG近況報告特別企画 vol.3
竹村遥奈さんは、名古屋市の小学校に勤務して2年目。お笑い鑑賞とお出かけが息抜きになっています。
河村 私も杉江さんがお話されたことと近いですが、近況報告会で頑張っている人の話を聞くと「自分も頑張ろう」という仕事のモチベーションになっています。本当に毎日、流されるように仕事をしてしまうところがあって、どこに向かって行けばいいのかと迷うようなときに、原点に戻れるのが大きいと思います。それともう一つ、やっぱり特別支援の職に就いている人は小中学校に比べて多いとはいえず、私の同期は60~70人ぐらい採用されましたが、その中で、大学新卒の特別支援の教員となると本当に10数人くらいです。ですから近況報告会は、同年代の特別支援の先生たちと話せる貴重な機会になっています。
財団―特別支援教育は、小学校とも中学校とも大きく違うとところがあるので、特別支援の教員同士で集まる機会が欲しいという声はどのブロックでも出ていました。財団でもお手伝いする方法を考えていきたいと思います。
テーマ④_OBOG同士の交流
まだOBOGの数が少なく、交流は限定的。運営経験者はつながりが密
財団―今度は奨学生のOBOG同士でどういう交流をしているのかをお聞きします。他ブロックでは、財団の催しをきっかけにSNSでつながったというケースと、大学の先輩後輩での縦のつながりを生かしているというお話がありました。
河村 私は、岐阜県の奨学生のOBOGもまだそれほど多くはないのかなと感じています。私が奨学生OBOGで関わりがあるのは、大学の後輩がたまたまゼミも一緒で、その子が就職したときには連絡を取ったりはしました。ただ、それこそ杉江さんや他の奨学生が県内にいるのは知っていますが、岐阜県が広いこともあり、なかなか連絡を取り合う機会もなく、実際にリアルでもオンラインでも集まったりはできていないのが現状です。
竹村 私は大学院の後輩で財団にお世話になっている人はいますが、学科が違ってなかなか関わる機会がないですね。夏の集いなどで会えば声をかけますが、直接授業の内容などを共有したことはないです。先輩も多分いらっしゃるんですけど、なかなかつながれていないです。でも全体の集いの中で仲良くなった名古屋以外の地域のOBOGがいて、その人とはたまに「今どういうことやっている?」と尋ねたり、行事のアイデアをもらったりしています。
財団―他ブロックの座談会では、インスタで板書の交換をしているといった話もありました。杉江さんはそうしたことにお詳しいと思うので、何かつながりをもつためのツールや方法論をご存じであれば、それも含めてお話ください。
杉江 OBOGの交流でいえば、私は河村さんとも同じ岐阜大学ですが、岐阜大学内ではあまり連絡を取り合えていないですね。私は校種が小学校で、私の後輩の3期生、4期生は特別支援なので、あまり自分が話せることはないかなと感じてしまって。私が奨学生OBOGで一番仲がいいのは一緒に運営をしたメンバーです。運営を作り上げるときに毎回もミーティングをするので、そこで仲良くなりました。私以外の仲間は全員卒業していますが、そのメンバーのグループLINEは今もちょこちょこ動いていて、一度関西に会いに行ったりもしました。
 ほかに、2021年に教員同士で指導案などを共有できる「JUST 10min」というアプリを仲間と作ったことがあります。昨年から今年にかけての1年間の留学中は、留学についての情報をずっとインスタグラムでシェアしていたので「私も留学が気になっています」という後輩何人かから、連絡がきたりはしていますね。
OBOG近況報告特別企画 vol.3
現在、大学院生で岐阜県の小学校を受験予定の杉江萌花さん。2022年から1年間、海外留学(マルタ)も経験。
財団―これまでのブロック座談会でもGoogleクラスルーム、LINEのグループ、インスタグラムなどで情報共有をしたいという話がありましたが、そういうアプリを用意して「これからこの掲示板に書き込んでいいですよ」と公開したとしても、音頭を取る人や世話役がいないと運営は難しいでしょうか?
杉江 サイトの運営はすごく大変です。「JUST 10min」でも、開発した当初はこちらで指導案のたたき台をアップすると「授業準備が3分の1になる」と喜ばれましたが、サイト内を探してもほしいデータがないことが何回か続くと、アクセスがどんどん減ってしまうんです。でも小学校の全教科のすべての指導案を1人で作るなんてとてもできないし、検索の際も、教科書によって単元の題名が違うこともあり、情報はあるのにヒットしないケースもあって……。そうした諸々のことがすごく難しく、共有サイトは苦戦しましたね。
財団―そういう苦労もあったのですね。
テーマ⑤_数年後のブロック内の学び合い・交流のあり方
少人数でじっくり話して関係を深め、それからSNSや授業でつながりたい
財団―それでは最後のテーマです。今後のOBOGの学びと交流について、こんなことができたらとか、3年から5年後の学び合いを支えるにはこういうやり方がいいのでは、というアイデアを皆さんに事前に提出いただいたので共有します(下参照)。それを見ながら、これから15分~20分くらいで、中部ブロックでのOBOG同士の交流を活性化させるためにはどうしたらいいか、話し合ってみましょう。最後に、どなたかが話をまとめてお話しください。
OBOG近況報告特別企画 vol.3
杉江 愛知、岐阜、三重ぐらいの3県で考えても、中部エリアはけっこう広いですよね。
河村 もし集まるなら、現実的なのはやっぱり名古屋かなと思います。
杉江 その前に、集まりたいと思うような関係性も作らなきゃいけないですよね。中部ブロックは大阪などに比べると、まだあまりまとまっていない感じがしています。竹村さんが短時間でもリアルで会うことが大事と話してくれましたが、私は仲良くなるには「リアルで長時間」が大事かなと思います。夏の交流会などでは、いろいろな人と出会うのが目的の一つになっていて毎回ワークショップごとに人が変わりますが、それだと忘れてしまうんですよね。1日に何十人も会って、インスタを交換して顔はわかるぐらいにはなるけど、その人をよく知ったという経験にはならない。やっぱりじっくり3時間とか、語り合いたいなと思います。
竹村 確かに。それでも、県ごとにそれぞれのほうが集まりやすいところはありますよね。愛知県の奨学生の推薦依頼大学は愛知淑徳大学と愛知教育大学がありますが、まだ県単位で集まるには人数が少ないと思うんですよね。
河村 他県の大学に行ってまた岐阜、愛知に戻ってくる人もいますが、そういう人との関わりは本当に全然ないですね。今、岐阜県内にどれだけOBOGがいるのかも把握しきれてないというか……。
竹村 同じ大学の中でも、財団の催しに積極的に参加している人でないと関われないところもあります。私の1学年下の後輩は運営もやっていて、その子とはよく話しますが、なかなか他の先輩とは会わないです。地域のOBOGの母数がいっぱいいて、やっと集まる人も増えてくるのかなとも思います。
杉江 中部といってもそれぞれ離れているので、そんなに頻繁には集まれないかもしれないけれど、1回会ったらやっぱり3時間ぐらい話したいですね。この3人だけでもいいので。
竹村 そうですよね。一緒に飲むまでの仲になるには、それくらいの時間がいりますね。
河村 それこそ旅行みたいな感じでガッツリ話すとか。
杉江 旅行にしたほうが、案外仲良くなるかもしれない。岐阜県民は車を持っているし「笠松駅まで来てくれたら、どこでも車を出すよ」というのがこちらの人たちだから。それで私は岐阜愛が強いので、愛知の人に岐阜の紹介をするという1泊2日の旅を考えてもいいですね。
河村 楽しそう!
竹村 県ごとに順に幹事を回していくのもいいですよね。そうしたつながりがないと、授業の板書を交換しようとか、そういうことには発展しないですよね。
杉江 本当にそうだと思います。気を許した仲なら8割とか6割のできのものでも共有できるけど、財団の奨学生OBOG1000人に見せるとなると、やっぱりめちゃめちゃ準備して、「成功したぞ」というものしか共有できない。そうではなくて、自分のダメなところ、適当なところも見せられるぐらいの仲になりたいですよね。
竹村 そうですね。それと特支の人は特支で交流したいということであれば、ブロック全体で集まった後に、名古屋の小学校はこの居酒屋へ行こうみたいな、2次会的なかたちで校種で分かれて集まるのもいいかも。
河村 それはいいですね!
杉江 逆もおもろしそう。最初に少人数で会って、その後に校種で集まって交流するのもおもしろいかもしれない。少人数の場合、どんな人数だと集まりやすいですかね?
河村 話しやすいのは4人ぐらいかなと思いますが、どうですか?
杉江 わかります! 私も飲み会とか4人派です(笑)。多くの人と出会うのも大事ですけど、限られた人と仲良くなるのを1次会は大事にしたい。最大4人で飲み会をやって、また次に集まってお互いを紹介できれば一番いいですよね。「この話をするならあの子がいいよ」とか、「同じようなことに悩んでいると話していたよ」と伝え合って。それでつながった人と板書などを共有する。SNSでは、皆さんは何を使っていますか?
竹村 やっぱりインスタのほうが、LINEよりも気軽ですよね。
杉江 インスタに載せるなら財団の友達だけに見せたい。全然関係ない高校の友達とかに自分の板書を見せるのは恥ずかしいので(笑)。でも、みんなが“教員アカ”を作り出したらおもしろいかも。奨学生はみんなインスタのアカウントを2個持っているという。
 それから、竹村さんがご意見に挙げてくれた「他県と教室をつなげる」というのも、私も今後の「やりたいことリスト」に入っています。技術的には絶対できると思うし、あとは信頼できる教員同士のつながりがあればと思います。私たちで3年後にやりましょう。新任でやる度胸はないので、2年目ぐらいで。
竹村 ぜひやりましょう!
財団―そろそろ時間です。それでは杉江さんから中部ブロックのまとめをお願いします。
杉江 はい。中部ブロックの戦略は4段階に分かれています。1つ目は近況報告会の後に飲み会を開きたいと思います。飲み会も4人くらいだと一番話しやすいので、最初に4人でじっくり話して、その後にみんなで集まって、その前の飲み会で話したことを共有しながらいろいろな人を紹介し合うような感じで運営できたらと考えています。
 2段階目は長時間の時間をともにしつつ、よりその人を深く知るために、旅行をしたいと思います。これは訪れる県を知ることになり、4つ目の「教室をつなげる」にも関係してきますが、幹事役の県の人が自分の県を他県の人に紹介する、というツアーを敢行したいと考えています。
 3段階目は、飲み会や旅行で関係ができてきたら、みんなに教員アカウントを作ってもらうなどして、その中で教員の日々の生活や自分の困りごと、「こういうことをしました、ほめてください」みたいなことも含めて、共有していきたいです。
 最後に、3年後に他県と教室をつなげて同じ授業を作り上げるというプロジェクトを行い、私たちがこうした取り組みのパイオニアになれたらいいなと考えています。これが、私たちが考えた中部ブロックの今後の交流案です。
財団―ありがとうございます。このブロックは先に飲み会ありき、ですね(笑)。交流が深まってからでないと授業の情報の交換もできないというのは確かにそうです。OBOGでの交流では多様な人たちと緩くつながるのもいいけれど、同じブロックで一緒に旅行したり一緒に酒を酌み交わすような、深いつき合いも求めているということですね。
 一つ、同じブロック内の大学に先輩・後輩に誰がいるのかを知る方法としては、近況報告会の出席者リストには在籍・出身大学を掲載しています。それと奨学生ウェブマガジンの中に「卒業生のことば」というページがあり、そこにも出身大学・大学院名が出ています。
 それでは今日のプログラムはすべて終わりです。今日全体を通してどのような気づきがあったか、本日の感想を一人ずつ簡単にお願いします。
杉江 2時間ありがとうございました。最近の近況報告会に参加できてなかったので、どういう感じかもわからない状況での参加でしたが、中部の先生方と話すことがこれまであまりなかったなと気づきました。自分が運営で走り回っていてグループ活動に入れないことも多かったので、今日こうやって2時間話せただけで河村さん、竹村さんと心の距離がぐっと近づきました。多分この2人となら飲み会もできると思うので、まずはここのメンバーで集まるために計画を立てたいなと思います。
河村 ありがとうございました。それこそ杉江さんは大学が一緒で、竹村さんは前の近況報告会でお会いしたなという印象で参加しました。私も今日の集まりで心の距離が変わり、とても話しやすくなったと感じました。それと、みんな思っていることは同じなんだなとわかって安心しましたし、「これからまた頑張ろう」という気持ちにもなりました。ありがとうございました。
竹村 私は杉江さん、河村さんのことはいろいろなところでお見かけし、会話もしていたので、今日の座談会を楽しみにしていました。杉江さんのお話にもあったように、中部ブロックももう少し盛り上がるといいなと私も思っていたので、そういう具体的な話ができたので、参加できてとてもよかったです。中部ブロックの交流が動き出すときは、ぜひ私も一緒に頑張りたいなという気持ちになりました。ありがとうございました。
財団―東京、大阪といった大きな都市は人数も多く、どうしても目立ちますが、歴史的にも文化的にも名古屋が発祥というものはたくさんあります。「革新は名古屋・中部から」というところをぜひ今日集まった皆さんで実践していただきたいと思います。それでは、これにてお開きにします。皆さん、お疲れさまでした。
とくに中部ブロックのOBOG・現役奨学生の皆さまへ
 当座談会では、段階別に交流の仕方を変化させてゆくというアイデアが生まれました。
1. 近況報告会のあと4人くらいで食事会をやって仲良くなる 仲間を紹介し合う
2. ブロック内の県を旅行して、深くて気を許せる関係を作る
3. 教室アカウントを作るなどして授業実践や困りごとの共有を進める
4. (3年後目標)他県と教室をつなげて同じ授業を作り上げる
 早速行動に移しているようです。読者の皆さんも意見やアイデアを送ってください。どんなことでも結構です。
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このコンテンツは、奨学生のOBOG限定です(現役奨学生や関係者向けには別途編集したものを後日提供予定)。
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